病原大腸菌O-157による集団食中毒の緊急情報

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●病原性大腸菌ってなに? ●感染源は? ●潜伏期間は?

●初めの症状は? ●尿毒症は?

●当面の治療や対応は?  ●確定診断後の対応は? ●予防は?

気をつけよう食中毒:大腸菌O−157

●病原性大腸菌ってなに?

・人の体の中にいる大腸菌は常在菌で人に特別な悪さをする菌ではありません。が、
 今回、死者まで出している大腸菌は人に下痢を起こさせる病原性を持つ大腸菌の中
 の1つなのです。
・下痢を起こす大腸菌には、今の所大きく分けて5種類あることがわかっています。
 1:病原性大腸菌
 2:細胞侵入性大腸菌
 3:毒素原性大腸菌
 4:腸管出血性大腸菌
 5:腸管付着性大腸菌
 それぞれ、下痢の起き方は全く違います。
・今回のO−157は、4番目の腸管出血性大腸菌の仲間です。が、行政上、上記5
 種類をまとめて「病原性大腸菌」と呼んでいます。
・腸管出血性大腸菌の特徴は、ベロ毒素という毒素を産み出すことです。この、ベロ
 毒素は、赤血球を破壊して腸管からの出血、貧血、血小板減少および急性腎不全を
 主な症状とする尿毒症などを起こします。
・この腸管出血性大腸菌が注目を集めるようになったのは、ごく最近の事でわが国
 最初の発生は1984年です。

●感染源は?

・牛肉、生牛乳、サンドイッチ、ハンバーガー、井戸水が原因食品であった事例が
 報告されており、感染源は牛などの畜肉、牛乳、生水などと考えられています。
 また、食品内である程度増殖した生菌を食べる事でも感染します。
・幼児では人から人への直接的感染も知られています。

●潜伏期間は?

・平均3.8日〜8日と比較的長いです。

●初めの症状は?

・多くの場合粘液成分の少ない水っぽい下痢で腹痛を伴います。下痢回数は次第に
 増し、1〜2病日後に鮮血の混入があり、典型例では便のほとんどない血性下痢と
 なります。
・腹痛は血便とともに増加し激しくなります。
・乳幼児では不機嫌、食欲不振として表現されます。
・嘔気、嘔吐は約半数の方に現れましたが、比較的軽いことが多いです。
・38度C以上の発熱が出る事は少ないです。

●尿毒症は?

・ひどい場合は溶血性尿毒症症候群を続発する事があります。
・下痢の発症から溶血性尿毒症症候群の診断までの期間は4〜15日あるいは1日〜
 34日との報告があり、これらの症例のほとんどに明らかな血便が認められていま
 す。しかしながら、血便がないときや、一旦下痢が軽快した例もあります。
・乳幼児や高齢者など体力の弱い方に多いです。

●当面の治療や対応は?

・下痢症の一般療法として安静、水分補給(白湯などを充分に)や食事療法(消化の
 良いもの・刺激の少ないものを食べる)を行います。
・脱水症状がひどい時は病院で輸液など治療を行います。
・止痢薬は病原菌を腸内に滞らせることになり経過を悪化させるので用いません。
・溶血性尿毒症症候群の徴候である蒼白、倦怠、尿の量がとても少なくなる、浮腫
 および応答や行動が緩慢、痙攣などの症状の発現に注意します。

●確定診断後の対応は?

・症状が軽快し、発症から15日程度を経過していれば、溶血性尿毒症症候群の
 続発の可能性はほぼないものと思われます。
・下痢が治っていれば糞便による二次感染の可能性は通常ないので、集団生活などの
 日常生活に支障はないでしょう。

●予防は?

・この腸管出血性大腸菌感染症に特定した予防法は特にありません。
・一般的な予防法として以下にあげます。
1:生肉については十分な加熱調理を行うと同時に、生肉から調理器具や手指を介し
  た食品へ二次感染の恐れがあるのでよく洗いましょう。
 :この大腸菌は熱に弱く、温度75度C以上、1分以上で死滅します。
 :冷凍食品など熱が通りにくいものは、加熱を中心まで十分に行って下さい。
2:食中毒の一般的な予防として、調理後、早めに食べましょう。
3:必要に応じて再加熱しましょう。
4:動物や人の排泄物で汚染される可能性のある井戸水などの飲料水については衛生
  管理を十分に行いましょう。
 :残留塩素が0.1ppm以上認められる水道水でしたら、水筒でお茶を持って
  行くより安全です。
5:手洗いを心がけましょう。
 ・爪をこまめに切りましょう。
 ・せっけんで手のひら・こう・指の間・爪の先・小指と親指側・手首をしっかり洗
  い、水で良く洗い流した後、逆性せっけん原液で手をもむように洗い、また十分
  に水洗いします。
 ・タオルもこまめに換えましょう。
                                 以上

 参考文献:日本医師会雑誌 107(9)H4.5.1
      ・腸管出血性大腸菌(Vero毒素産生大腸菌)による出血性大腸炎と溶血性尿毒
       症症候群の臨床 竹田美文 村田三紗子 本田雅敬
     :中毒研究 5(369-377) 1992
      ・病原大腸菌感染症 伊藤武
     :ぎもん・しつもん学校環境衛生 監修 高橋節夫

                       ぎふ薬事情報センター 川瀬

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